アナログレコードの買取についての雑感

2023年9月14日

今回はレコードの買取について具体的に述べるのではなく、買取をめぐって少し抽象的なことを述べてみたいと思います。

些かこじつけるような言い方になりますが、普段アナログレコードを購入するという行為自体も「買取」と同じ「買い取る」というものです。その場合、買い取ったものをコレクトするかそれを商材にするかの違いが出てきます。この記事は、コレクターのためでもバイヤーのためでもなく、あくまでレコードを査定する側からの雑感ですので、どうぞ気軽に読み流してください。

例えばアナログレコードを買う際、オリジナル盤のファーストプレスを求めようとするなら、当然そのための知識が必要になります。

しかしインターネットが普及した今日において、実物が目の前になくてもデータや画像を参照することでオリジナルのファーストプレスかレイトプレス(再発)かという見極めも随分容易になりました。

それのみか価格相場も簡単に調べられるようになり、新たに判明したレコードのマトリクスなどの情報なども、すぐにネット上にアップされて不特定多数のレコード愛好家たちに共有されるようになりました。

そうした情況をふまえると、インターネットがここまで普及する以前の、実物に触れて得た専門的な知識が、現在のレコード買取査定においてどれくらい役立つのか少々疑問になってきます。

個々人が、インターネットでオリジナルか再発かどうかを調べ、手元に届いたレコードを確認するところまでで完結してしまっているように思われます。

さらに、インターネットの普及とそれに伴う形で検索エンジンの技術も向上しているので、アナログレコードショップの買取スタッフであろうとそうでなかろうと、知識はかなり均されて両者の差はほとんどなくなっているようにも感じます。

しかし実際に日々レコードに触れて査定をしていくと、当然人気のあるタイトルや名盤やそのオリジナルばかりと出会うわけではありません。様々なジャンルと特徴をもったレコードと出会うことになります。

もちろん、そのせいで惑わされたり判断を誤ったり、と色々手を焼くことになるわけですが、この惑わされて手を焼き、時には失敗するという経験が活きてきます。つまり感触を伴った知識や経験を持つことで文字情報の氾濫に左右されない判断ができるようになります。

とはいえ、次々と新たな特徴をもったレコードが現れてくるので、その中から正解を求めてゆくという作業は容易ではありません。ましてや値入を含めたアナログレコードの買取査定には絶対に正しい正解がないため、こうした作業は非常に困難を極め、このことは査定をやったことのあるものの共通認識ではないかと思われます。

それでもネット上に遍在するデータと先述した経験とをすりあわせながら査定を進めると不思議と面白さが生じます。査定が困難であればあるほど楽しみもいや増すようです。

ですから、インターネットで得る知識も大事ですが、感触を伴った知識や経験を共有できる場所がなくならないように、アナログレコードを取り扱う面白さが少しでも伝えられればと思い、この記事を書きました。

ここまで大変大づかみな捉え方で要領を得ないことを述べてしまったような気もしますが、傍らに積まれたレコードの査定が終わらないので、今回はこの辺で切り上げたいと思います。